今回の麻酔科学会で特にぼくが推薦するセッションを紹介します。
先ず
I-08 体温調節の中枢メカニズム (8/17 13:30より第6会場)
Central mechanism of body temperature control
中村 和弘先生
中村先生は京大の薬学を1997年にご卒業された気鋭の研究者です。(http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200901082117873891)
現在は京都大学 生命科学系キャリアパス形成ユニットの若手リーダーをしておられます。(気の遠くなるような倍率を勝ち抜く必要のあったポストで京都大学が誇る若手研究者の一人であることがわかります)
今回は
体温調節に関わる神経回路など、具体的な神経科学的基盤について先生の明らかにされた体温調節に必要な皮膚温度情報を視索前野へと伝達する神経経路は、教科書的によく知られた温度知覚の体性感覚経路(脊髄視床皮質路)とは異なった、新たな体性感覚経路です。今回はこのような話題を中心にお話しして頂く予定です。
この講演は聞き逃せ無いと思います。
次は
[B21-01] オピオイド受容体研究の展開(8/18 14:50より第7会場)
福田和彦先生
うちの教授です。
Miller’s anesthesiaでも麻薬の章を丸ごと一つ担当されています。
まとめて麻薬についての話をされる機会はそう多くないのでこれを機会にぜひ一回はお話しを聞かれたらと思います。
最後です。
初日の午後に優秀演題に選ばれた先生方の発表があります。
Q03は生理学・神経部門の6演題の発表です。
この6演題から最優秀演題を選ぶコンクールを兼ねています(ぼくが座長です。ぼくは意地の悪い質問をします)。
内容と共にプレゼンテーションも優れたものであるはずです。若い先生方のよい手本となると確信しています。
生理学・神経部門で優秀演題に選ばれたのは以下の6演題です。
1 麻酔薬と海馬CA1シナプス可塑性:SevofluraneとPropofolの長期増強現象(LTP)抑制作用の比較
群馬大学 石関淳子先生
2 好中球エラスターゼ阻害薬ONO-5046はラット一過性脳虚血後の海馬CA1神経細胞死を軽減させる
山口大学 平田孝夫先生
3 Mdr1aノックアウトマウスによる一過性脳虚血でのアポトーシス及びサイトカインに関する検討
東京医科大学 室園美智博先生
4 ラット大脳皮質一次培養ニューロンの細胞内カルシウム濃度に対するErythropoietinの効果
横浜市立大学 越後憲之先生
5 リドカインによるミクログリアのプロトンチャネル抑制作用
大阪市立大学 松浦正先生
6 気管平滑筋のGABAB受容体はIP3合成を促進する
東北大学 水田健太郎先生
以上です。
是非参加下さい。