麻酔科学会 第57回学術集会 雑感

麻酔科学会の学術集会が木曜日から三日間開催されました。

火曜日の総会から土曜日の午後までの長丁場ですっかり疲れきってしまいました。

前回の学会があのような形だった上に神戸で開催されたのに今回は遠く離れた福岡で開催されたということでより多くの参加者があったのではないでしょうか。
本当にすごい数の人が一同に集まっているという印象を受けました。

今回はAACAの併催があったのですがこれがなければすべての口演は国際会議場でできたはずです。そう考えると福岡のあの会場は結構良い会場であるといえるのはないでしょうか。

しかし例えば、マリンメッセの奥の方に設えられた口演会場には閉口しました。遠すぎますよね。

学術集会における会長の役割も不明確でした。
昨年と比較してどこが違ったのでしょうかさっぱりわかりませんでした。以前は良くも悪くも会長の考えがある程度反映されていた思います。
このような枠組みもしばらくするとなくなるそうですのでどうでもいいことですが…

ポスターは午前中より午後の部の方が人が集まっていたような印象を受けました。一枚刷りのポスターもおおくかなりおもしろいものも散見しました。おもしろい実験系を使っているポスターもいくつかありすこし考えてみたいなと思いました。

 

シンポジウムとかワークショップなどは毎度毎度の話題であまり興味が引かれませんでしたしほとんど聴きませんでした。

例えば、土曜日に行われた”小児麻酔の論争点”というセッションにしても木曜日に開かれたPBLD”鼡径ヘルニア根治術の麻酔”の方がぼくには参考になりました。

知識の伝授という意味からはリフレッシャーコースのような形態の方が効率的です。

また現在ネットでいくらでも文献検索が可能であり知識だけなら論文を10-20編も読めば自ずとコンセンサスが奈辺にあるかは理解できてしまいます。

抄録集も印刷版はないのですからシンポジウム、ワークショップまた会員による招請講演ではリンク付きの文献リストを付けてくれる方がありがたいかもしれません。ネタバレしてしまうかもしれませんが…

基礎的な研究は研究が独創的であること、緻密であることに価値があるのですから問題意識が臨床現場から出てきたものであってもなくとも優れたものは優れたものとして評価されるべきだと思います。

しかし、基礎研究を無理やり臨床に還元しようとする展開には非常に違和感を感じますしそれはいわゆるトランスレーショナルリサーチでは無いと思います。

 

お祭りならいっそお祭り騒ぎにしてしまう方がよいのような気もします。
学会もこのネットの時代に性質を問われていると思います。

 

ランチョンセミナーも共催企業の製品を手放しで褒めまくるというような内容には鼻白みます。麻酔科学会が公益法人になるのならconflict of interestも考えた方がいいかもしれません。まあどうでもいいことですけど。三日で参加した三つのセミナーでは初日の”超音波ガイド下内頚静脈穿刺”は企業色が薄かったものの二日目とくに三日目のセミナーーあえて名を秘しますーはやりすぎだと思いました。

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