Super Crunchingまたは世の中確率だ

水曜日の夜に腹の立つことがあってずーっと気分が悪いです。

おまけに頭痛がしてくるし今日はもう帰ります。

週末に

その数学が戦略を決める (文春文庫)を再読しました。

以前図書館で借りて読んだのですが文庫本になったのを機に購入しました。

“Super Crunchers”というのが原題で副題は”Why thinking-by-numbers is the new way to be smart”です。
なので”絶対計算”と訳されている言葉は”Super Crunching”です。

第四章はevidence-based medicineについてです。

”医師は「根拠に基づく医療」にどう対処すべきか”
EBMって結局はSuper Crunchingだと思い切れるヒトは”老練な臨床医”つまり大学の教授を凌駕する診断能力を googleを発揮する場合がある、というようなエピソード(. . . And a Diagnostic Test Was Performed) が紹介されて行きます。

“How did you make that diagnosis?” asked the professor. Came the reply, “Well, I had the skin-biopsy report, and I had a chart of the immunologic tests. So I entered the salient features into Google, and it popped right up.”

というわけですが、でも実際は、こんなにきっぱりと割り切れない。

臨床試験という発想自体が、研究の主導原理となってきたアリストテレス的なアプローチに反しているのだ。このアプローチでは、研究者はまず病気の根底にある性質を理解しようとすべきだ。問題さえ理解できれば、その解決法は自然に導かれる。
病気の真の性質に関する演繹法的知識に基づくのではなく、EBMはそれぞれの治療がうまくいくとかいう帰納的なアプローチがいかに有効かを示す。

というわけで例えば Nature Medicineなどを信奉しているヒトはやっぱりアリストテレス的なアプローチを尊重しているわけですー実はぼくもそうなんだとおもいます 一応真理とか信じていますからー。
そんなところに手洗いをして10万人の命を救おうというようなキャンペーンがあって実際にすごい効果が出てしまうと内心忸怩たる思いがあるのだろうね。

手術中に患者が動くので筋弛緩薬を投入して押さえ込めばいい、いざとなったらスガマデックスがありますやん、などという発想をするやつは麻酔科医でなくただの麻酔士だ、麻酔深度を意識した鎮痛主体の患者管理をしていればそもそも体動は起こらないのだと考える人にとっては邪道と映るのだろう。

けど、麻酔薬の濃度をへらしたまま筋弛緩薬も投与しなければ脳外科の手術で脳が飛び出んばかりに体動することもあるので怖いーほんとこれれはやめて下さい バカみたいですよー。

すごく腹が今でも立っているのですこし投げやりになってしまいました。

とにかく

その数学が戦略を決める (文春文庫)

読んでみてください。

733円です。安いよ。

そうそう今日

麻酔科薬剤ノート―周術期の麻酔・救急対応薬の使用のポイント

読破しました。もちろん自分で買ったわけではありません。修練医の先生が持っていたのを横取りしたんです。

どこの部分とはいいませんが薬の説明がすこし残念な部分があるような。
以前某製薬会社が配っていた例の本の方がぼくが好きでした。すみません。

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