“データはウソをつく―科学的な社会調査の方法”

データはウソをつく―科学的な社会調査の方法

ちくまプリマ新書の一冊で読者としては一次的には高校生から大学生が想定されていると思いますが、大学院生が読んでも臨床医が読んでもとてもタメになる本です。
一口に言えば、統計でだまされない、ウソをつかないタメの基本的な心得を授けるのが目的の新書ですが、第一章の事実認定における社会科学と自然科学の違いとか第二章の「相関と因果」などは、初学者にもわかりやすい説明がされています。

とてもためになるのは第三章「実際にデータを解析してみよう」です。
カフェインの摂りすぎは心臓に悪いのか?という問いをデータを用い実際に解析してみるという試みが行われています。
リサーチリテラシーを身につけて統計で騙されないように、また知らず知らずのうちに誤った事実認定をしないようにというメッセージが込められているのですが、それよりも集めた統計的なデータを用いて実際に解析を行うことがいかに大変な大仕事であるかということがよく解ります。

高級な統計解析の教科書を読む前にこの定価760円の新書をまず読むことをお勧めします。

Similar Posts:

トラックバック・ピンバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL